2022/11/11(金)日米同時公開でマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU) フェーズ4を締め括る作品となった『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』を公開日から約2週間遅れで観てきました!
実際に観に行った日は11/23(水・祝)で、祝日という映画館側からすると稼ぎ時にもかかわらずTOHOシネマズ様の「TOHOウェンズデイ」サービスにより1,200円で本作を鑑賞することが出来ました。
TOHOシネマズ様、シネマイレージサービス含め、いつもありがとうございます!!
(今回で6ポイント貯まったので次回『アントマン&ワスプ:クアントマニア』は無料で観に行けます!)
ということで、今回もネタバレになるような表現はできるだけ回避しながら、簡単に感想を書いていきたいと思います。
本作では上記の映画ポスターにもある通り、国王ティ・チャラ/ブラックパンサーを失ったワカンダ国の人々が、彼の遺志・想いを受け継ぎ再び立ち上がるまでの様子が描かれます。
事前に公開されていた特報・予告動画では新しいブラックパンサーのスーツ姿が映し出されるなど、『“誰“が国王/ブラックパンサーを継ぐ存在になるのか』が個人的に一番気になるトピックでしたが、本作においてそれは物語を構成する一要素でしかなく、王を失った悲しみに暮れる人々が『どのように王の遺志・想いを継ぎ、どのように悲しみを乗り越え再び強いワカンダ国を造り上げるのか』が主として描かれていたように思いました。
本作に登場するティ・チャラ/ブラックパンサーの遺志・想いを受け継ぐ人々とは、母ラモンダ、妹シュリ、元恋人ナキア、親衛隊隊長オコエ、ライバルのエムバク、そして彼を命の恩人として慕うCIAエージェントのエヴェレット・ロスなど様々な立場で彼と接してきた人物たちです。
そんな彼女らがティ・チャラ/ブラックパンサーから受け継いだ遺志・想いは、決して一つのものではなく、また全く同じものというわけでもありませんでした。
国を率いる立場となり悲しみに暮れる暇もない人、深い悲しみから抜け出せずにいる人、新たな道を歩み始めている人など、異なる立場と受け継いだ遺志・想いは時に衝突しながら、さらには敵対国となったネイモア率いる海の帝国タロカンからの攻撃を受け、ワカンダ国は大きく揺れ動きます。
そんなワカンダを取り巻く人々が悲しみを乗り越え、一丸となって再び強いワカンダ国を造り上げる姿は、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のフェーズ4を締め括る作品として非常に印象的で、ワカンダという国がフェーズ4から6まで続く”マルチバース・サーガ“においても重要なポジションに位置づけられたような気がしました。
次に、本作でワカンダと敵対することになった海の帝国タロカンとその王ネイモアについても少し触れたいと思います。
王を失ったワカンダ国の面々を再び一丸とするためには十分すぎるほどに強大な国とその国王だったわけですが、この国とネイモアは、決してそれだけの役割を担っていたわけではないように思います。
以前投稿した『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』ネイモアが”ミュータント”としてMCUに登場!?にもある通り、ネイモアは”ミュータント“として本作に姿を現します。
そして”ミュータント”と言えば、今年公開された別の作品でもそのキーワードが登場しています。
そちらの作品では”ミュータント“の誕生に関する詳細は明らかにされませんでしたが、今作においては「何故ネイモアのような人物が”ミュータント“として誕生したのか」がより具体的に語られます。
この”ミュータント“というキーワードが示唆するのはやはり今後のX-MENへの繋がりであり、ネイモアの登場は、あの何でもありなMCUの世界において未だ存在が明らかにされていなかった”ミュータント“がどのように誕生・存在していたのか(し得るのか)を語ることによって、今後のX-MENの登場に向けて更なる動機付けや助走が行われたように感じました。
ネイモアは本作におけるヴィランという位置付けではあったものの、彼の行動は個人的なものではなく、その能力も合わせて非常に魅力的なキャラクターでしたね。彼とタロカンがどのような結末を迎えたのか、まだ本作をご覧になっていない方は是非劇場でご確認ください!!
そして最後に、
本作は何よりも2020年に亡くなったチャドウィック・ボーズマン氏とティ・チャラ/ブラックパンサーへのリスペクトを中心に据えた映画でした。
前作『ブラックパンサー』がスーパーヒーロー映画史上初となるアカデミー賞”作品賞”ノミネートを果たし、本作はその続編としてティ・チャラ/ブラックパンサーの活躍を描く脚本が用意されていたと聞きますが、チャドウィック・ボーズマン氏の突然の訃報を受け、脚本に大きな変更が発生しました。
最終的にマーベル・スタジオはティ・チャラの代役を立てることなくストーリー上もティ・チャラを失うといった流れに変更し、あくまでティ・チャラ=チャドウィック・ボーズマン氏を貫くという選択を行いました。
その結果として度重なる脚本の変更の末に製作された本作は、(ネタバレを避けるため細かい描写には触れませんが)3時間近い本編でありながら、本作で重要なポジションに位置づけられるあるキャラクターが悲しみを乗り越え、ティ・チャラ/ブラックパンサーの遺志・想いを正しく受け継ぐまでの描写が少し足りていなかったようにも感じました。
「え、そんな突然考え方や行動が変わるの?」
といった感じで、駆け足で終盤に物語が収束していったように思います。その選択自体は私が期待していた通りのものではあったので、むしろ「よかった~」ホッとする流れではあったのですが、そこに至るまでの動機や描写がもう少しあると、より分かりやすかったなというのが正直な感想です。
その他にも個人的に、「あれ、そんな設定あったっけ?」「そこまでやっちゃうの?」といったようにティ・チャラ/ブラックパンサーが亡くなったところから本作でワカンダ国が再び立ち上がるまでのストーリーを再構成するにあたって少し違和感のようなものを感じるところはあったのですが、それでもチャドウィック・ボーズマン氏をリスペクトしここまでの壮大な物語を作り上げてくださった製作陣には敬意と感謝の気持ちでいっぱいですし、特にミッドクレジットシーンについてはとてつもなく胸の熱くなる展開で、心地よい余韻に包まれながら映画館を後にすることが出来ました。
本作をもってMCUフェーズ4が完結となり、フェーズ6まで続く”マルチバース・サーガ“の助走期間が終了しました。
来年早々にフェーズ5のスタートとなる『アントマン&ワスプ:クアントマニア』で物語が大きく動くという情報も出ているようなので、それを楽しみに待ちたいと思います!!
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ブラックパンサー:黒豹を継ぐ者