正当な続編でありながら様々な可能性を詰め込んだ意欲作!『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』感想!!

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米国では日本に先駆け2023/6/2(金)に公開となり、日本でも6/5(月)の日本最速試写会、6/13(火)の舞台挨拶付き吹替版試写会を経て(私は両方とも抽選に外れましたが涙)、ようやく6/16(金)に封切となった『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』を公開3日目にして観に行くことが出来ました!

ということで今回もネタバレに気を付けながら、興奮冷めやらぬうちに感想を投稿したいと思います!!

メインとなる感想の前にまず、本作について押さえておくべきと感じたポイントを2つ挙げたいと思います。

1点目は本作が「スパイダーマンが数多く登場するというファンサービスに特化した単なるお祭り映画ではない」という点です。

本作の代表的な見どころとして「様々なユニバースのスパイダーマンがクロスオーバーする」点が挙げられることは間違いないですし、そのことに異論のある方はほとんどいらっしゃらないのではないかと思います。

事実、総勢100を超える(と言われている)スパイダーマン達が画面狭しと入り乱れ、スパイダーマンならではの軽快なやり取りを繰り広げる様子は、ファンならずとも心躍る夢のような展開でした。このような試みを実現するにあたっては、多くの企業様および関係者の方々のご協力、ご尽力があったのではないかと推察します。

しかしながら、本作はその贅沢な試みに頼り過ぎることなく、あくまでそれを一つの要素として物語が展開されています。

続く2点目のポイントは、本作が「サプライズに特化した作品でもない」という点です。

近年公開されたスパイダーマン関連作品は、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(SSU)を問わず、過去作の視聴を前提とした上でのサプライズがふんだんに盛り込まれており、ファンにとってはサプライズがお約束のようになっていたと思います。

なかでも、スパイダーマン関連作品として直近で公開された『スパイダーマン:ノーウェイホーム』については度肝を抜くようなストーリー展開・演出でファンたちの心を震わせ、また鷲掴みにしました。私自身、『スパイダーマン:ノーウェイホーム』は”ある意味”において映画の歴史を変えた作品であると確信していますし、私の中でのスパイダーマンに対する期待値はここから跳ね上がりました。

それくらい、「スパイダーマン作品=サプライズ」というイメージは強くなっているように感じますし、それに加えて様々なスパイダーマンが登場することが発表されていた本作において、サプライズに対するファンの期待は留まることなく高まり続けたように思いました。

結果として、「ファンの期待に対してどのようなサプライズで応えてくれたか」は、映画をご覧になられていない方は是非本編をご覧の上で確認いただきたいところですが、私としてはこの”サプライズ”についてもやはり、ストーリー上必要となる展開の範囲内に収まっていたように感じましたし、予習・復習も前作『スパイダーマン:スパイダーバース』だけ押さえておけば間違いない内容だと思いました。

さて、前置きが長くなりましたが、ここからが感想の本題です。

そんな「単なるお祭り映画」でもなければ「サプライズに特化したわけでもない」本作は、間違いなく1作目『スパイダーマン:スパイダーバース』の正当な続編であり、かつ進化系と言える作品だったように思います。

前作『スパイダーマン:スパイダーバース』はコミックとCGを融合させたような革新的な映像表現と、様々なユニバースに存在するスパイダーマン達の存在を通して一人の少年が成長するまでを描いた王道的なストーリーで、第91回アカデミー賞の長編アニメ映画賞を受賞しました。

その続編となる本作では、前作と比べて映像表現の幅が格段に広まっています。

分かりやすいところでいえば、前作でスパイダーマン・ノワールの世界が描かれた時の様に、本作でマイルスたちが文字通り”横断する“様々なスパイダーマンのユニバースがそれぞれ異なる特色、色合いによって描かれており、マルチバースという世界観の深さを見事に表していたように思います。

それ以外に、アクションシーンも目を見張るものがあり、冒頭からジェットコースターのように緩急をつけて幾度となくやって来るスピード感のある戦闘シーンは前作を上回る出来栄えで、観客の目と心を飽きさせない素晴らしい内容でした。

そして、マイルスグウェンなどのキャラクターと、ストーリーの進化も特筆すべきポイントです。

前作では、各ユニバースに一人しかいないスパイダーマン達が「あるきっかけ」で1つのユニバースに集まる様子が描かれましたが、今作では先に述べた通り、マイルスたちは100人以上のスパイダーマン達と出会います。しかも、ただ会うだけではなく、スパイダーマン達に課せられた悲しい運命という事実を突きつけられ、またその運命に従うことを求められたマイルスは、1作目とは比べ物にならないほどの成長を見せます。

また、そんなマイルスに感化されたグウェンも、マイルスの先輩的なポジションから大きく立場を変えていきます。

この二人の急激かつ劇的な成長のきっかけとなるのが数多くのスパイダーマン達であり、彼らの登場があるからこそ、その成長に説得力を持たせることが出来ているように思いました。

そして、彼らを成長させてくれる新たなスパイダーマン達も魅力に溢れていました。このあたりの新キャラクターの魅力についても、是非本作をご覧の上で感じていただきたい点です!

と、いうわけで、奇を衒わずにファンの期待を超える形で前作からの正当な続編として展開された本作ですが、ここで作品の評価を決めてしまうのは早すぎたりします。

というのも、本作は確かに「単なるお祭り映画」でもなければ「サプライズに特化したわけでもない」だったわけなのですが、本作だけでは語りきれない伏線が数多く忍ばせてあるように思いました。

このあたりの伏線(と私が感じたもの)が回収されるのか、それらが伏線ではなくストーリー上の演出だったのかは次回作『スパイダーマン:ビヨンドスパイダーバース』を観ないことには分かりませんが、もしそれらが伏線として回収されるようなことになった場合、それはスパイダーバースやマーベル作品のみならず、またまた映画の歴史を塗り替えることになるような気がしてなりません!!

まだまだ上映が始まったばかりの本作、未視聴の方は、前作を予習のうえで是非劇場でご覧ください!!

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