【ネタバレ要注意】『シークレット・インべージョン』最終話まで〇〇が〇〇しなかったことに関する考察

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[注意]本投稿にはDisney+ (ディズニープラス)オリジナルドラマ『シークレット・インべージョン』に関する重大なネタバレを含みます。これから本作を視聴予定の方は、このままページをお戻りください。

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[注意2]本投稿の内容は2023/7/30時点での情報を基にした個人的な考察であり、実際の事情や今後の展開および各ファンの方々の感想に対して言及するものではございません。

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品としてはガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャルから数えて約7カ月ぶり、2023年初のDisney+ (ディズニープラス)オリジナルドラマとなった『シークレット・インべージョン』の最終話が2023/7/26(水)に配信されました。

これまでにも何かと最終話が大きな反響を呼ぶことの多かったMCUDisney+ (ディズニープラス)オリジナルドラマ作品群ですが、『シークレット・インべージョン』もその例に漏れず、配信直後からSNS等で大きな反響を呼んでいる様子が伺えました。

それだけ本作の期待度、注目度が高かったということなのだと思いますが、皆様にとって本作の内容・結末はいかがだったでしょうか?

私にとって本作は、結末含めこれまで追い続けてきたMCU作品のなかでも上位に入る大満足の作品となりました。

その理由として「MCU作品でありながら最後までスーパーヒーロー登場しなかった」という点が1番に挙げられます。
(ネタバレになるのでタイトルでは伏せましたが、上記赤文字部分がタイトルの”〇〇”にあたります)

ということで、今回は「何故本作でスーパーヒーローが登場しなかったのか」、「本作で描きたかったものは何だったのか」について、個人的な(あくまで素人である私の個人的な)考察をまとめていきたいと思います。

配信前の本作への期待

本作は配信前から元シールド長官であるニック・フューリーを主人公とした物語になる事が判明しており、再び訪れた人類の危機に際し、スーパーパワーを持たない彼をサポートするメンバーとして、サプライズのスーパーヒーローの登場が期待されていました。

その代表格が、シールドメンバーのデイジー・ジョンソン/クエイクです。

デイジー・ジョンソン/クエイクは、『アベンジャーズ』以降のMCUスピンオフ作品として製作されたドラマシリーズ『エージェント・オブ・シールド』に登場するスーパーヒーローで、『エージェント・オブ・シールド』を最後までご覧になられた方々の多くは、彼女のMCU参戦に期待していたのではないかと思います。

何故彼女の登場が期待されたのかというと、フューリーと関連性の強いシールドのエージェントであるという点はもちろんのこと、デイジー・ジョンソン/クエイクを演じたクロエ・ベネット氏が自身のInstagramにて、シャン・チー役のシム・リウ氏とのツーショットや靴下にデイジーの花を挿した写真などマーベルやデイジー・ジョンソン/クエイクとの関係を示唆するような投稿をしていたことも、その理由として挙げられます(クロエ・ベネット氏とシム・リウ氏のツーショットは何度見ても最高です!)。

上記投稿のこともありクロエ・ベネット氏はデイジー・ジョンソン/クエイク再演に関する質問を実際に受けており、少なくとも『シークレット・インべージョン』の撮影には参加していないことを明確に回答していたようなのですが、それでもキャストを含めて事前のネタバレを徹底的に制限しているマーベル・スタジオの事ですから、『シークレット・インべージョン』にデイジー・ジョンソン/クエイクがサプライズでいつか登場するのではないか、と毎話が終わるたびに期待を膨らませてきたファンの方も多かったのではないでしょうか?

私もデイジー・ジョンソン/クエイクのファンで、当ブログの記事[ネタバレ要注意]『ミズ・マーベル』最終話で起こった原作からの設定変更に関する考察でも触れた通り、かねてから彼女がMCUにおいてヒーローとして再び姿を現す日を待ち続けていました。

何故スーパーヒーローが登場しなかったのか

最終話の配信が行われたことで、本作には最後までデイジー・ジョンソン/クエイクの登場が無いだけでなく、ローディは擬態したスクラル人、スーパーパワーによる戦闘シーンもスクラル人のみという、スーパーヒーロー不在の状況が徹底されていることが確定しました。

ちなみに、スーパーヒーロー自体は登場しませんでしたが、今まで以上にMCU感盛り盛りにしてくれる要素として、本作のヴィランであるグラヴィクが求めた“収穫(ハーヴェスト)”がありましたね。

あれには私もテンションがかなり上がりました。

テンションが上がり過ぎて、“収穫(ハーヴェスト)”を解析するシーンでモニターに映し出されるヒーローやヴィランの名前を、リモコンの再生と停止、巻き戻しを何度も繰り返してメモしましたので、こちらに載せておきます(笑)。

■"収穫(ハーヴェスト)"に含まれていたDNA
以下に記載しているのは画面上に表示されたものだけなので、その他のキャラクターのDNAも含まれている可能性がございます
GHOST(ゴースト)
CAPTAIN AMERICA(キャプテン・アメリカ)
CORVUS GLAIVE(コーヴァス・グレイヴ)
THANOS(サノス)
OUTRIDER(アウトライダー)
PROXIMA MIDNIGHT(プロキシマ・ミッドナイト)
CAPTAIN MARVEL(キャプテン・マーベル)
ABOMINATION(アボミネーション)
MANTIS(マンティス)
CULL OBSIDIAN(ブラック・ドワーフ)
DRAX(ドラックス)
KORG(コーグ)
EBONY MAW(エボニー・マウ)
FROST BEAST(フロスト・ビースト)
HULK(ハルク)
CHITAURI(チタウリ)
VALKYRIE(ヴァルキリー)
THOR ODINSON(ソー・オーディンソン)
GAMORA(ガモーラ)
FLORA COLOSSUS(フローラ・コロッサス)
WINTER SOLDIER(ウィンターソルジャー)

実はフューリーサノスのDNAまで入手しており、その力をガイアが手に入れてしまったということで、めちゃくちゃ重要なポジションのキャラクターになってしまった気がします。彼女は今後のマルチバース・サーガの重要人物になるかもしれませんね!!

と、話が逸れてしまいましたが、ここからは、これほどまでに豪華な名前とそのスーパーパワーを登場させながら、また本作がMCUのドラマ作品でありながらも、何故スーパーヒーローが登場しなかったか、について掘り下げていきたいと思います。

ヒーローが登場しなかった理由1

これはストーリー上の流れからも私が最後まで違和感なく視聴することが出来た一番の理由なのですが、フューリーが進めていた「特殊な力を持ったヒーロー・ヴィランのDNAを収集する」という行動が、決して誰にも明かすことができない内容だったためであると考えます。

特殊な力を持った人物たちのDNAの存在は、MCUの世界に無数に存在するヴィラン側の立場からすればグラヴィクのように悪用を考えるのは当然のことで、ヒーロー側からしても、自身を含めそれだけのスーパーパワーを秘めた人物たちのDNAを集めるという危険極まりない行為は決して容認できるものではないはずです。
(恐らくキャップあたりが知ったら激怒して“収穫(ハーヴェスト)”を廃棄しようとしたのではないでしょうか)

前述の“収穫(ハーヴェスト)”に『アベンジャーズ』に登場したチタウリのDNAが含まれていることからも、フューリーはDNAの収集をアベンジャーズの結成よりも前に計画していた可能性があり、それをここまで秘密裏に続けることが出来たのは、アベンジャーズの面々ですら把握できていない地球上に暮らしている擬態能力を持ったスクラル人の力を借りることが出来たためです。

だからこそ、その秘密裏の計画に関わる当事者であり、フューリーへの憎しみから造反/人類滅亡を計画することになったスクラル人に対して、フューリー自身と、彼と信頼関係にあったタロスの娘ガイア、そしてフューリーが秘密を打ち明けられると信じたMI6のソーニャの3人で決着をつけざるを得ない状況があったのではないでしょうか。

ヒーローが登場しなかった理由2

2つ目はもう少しリアルな事情です。

ニック・フューリーを主人公とした作品でありながら、ヴィランを倒す役割をスーパーヒーローが担ってしまうと、果たしてその作品の主人公はニック・フューリーと言えるのでしょうか?

もちろん、これまでの作品群の中でもスーパーヒーロー達だけでは解決できなかった問題を、フューリーの頭脳・戦略が救ってきたことは多々ありました。

ですので、スーパーヒーローを登場させながらもニック・フューリーを主人公として描く方法はいくらでもあったのだろうとは私も思いますが、一方で、本作で敢えてスーパーヒーロー不在の状況を徹底するという選択をしたことで、スーパーヒーローの力を借りずとも、スーパーヒーローやヴィランにも負けないフューリーの知略や、彼を陰ながら支える味方としてのスクラル人の存在を、視聴者に印象付ける効果が得られたのではないかと思います。

フューリーは最早、”人類にとって(表に立つことのない陰の)スーパーヒーロー“と言えるのではないでしょうか。

ヒーローが登場しなかった理由3

1つ目はストーリー上、2つ目はストーリーとリアルの中間にある理由でしたが、3つ目は最もリアル寄りなお話です。

MCU作品は、1つの世界(フェーズ4以降のマルチバース・サーガになってからは1つの世界観)の中で様々な人物たちを描いた連続する作品群として、単発のスペシャル・プレゼンテーション作品も含めると既に40作品以上が公開されています。

それだけ作品が続くと、若干のマンネリが起こってもやむを得ないと思いますが、MCU作品はこれだけの作品群を、常に視聴者・ファンを飽きさせない試みで魅了し続けてくれています。

フェーズ3までのインフィニティ・サーガでは、様々な作品・登場人物のクロスオーバーでファンに対して”視聴し続けることで得られる発見、楽しさ“を提供し続けてくれました。

しかし、いつまでもそれだけを続けていると、やはりファンであっても飽きが来てしまいます。

そこで、フェーズ4以降では今まで以上に新しい試みが多く加えられているように思います。

その新しい試みとは、Disney+ (ディズニープラス)によって可能となった連続ドラマはもちろんのこと、スペシャル・プレゼンテーションという単話ドラマエピソードの導入、そしてアニメーションという表現技法、更にはシットコム(『ワンダヴィジョン』)やホラー(『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』)などの作品ジャンル、ソニー・ピクチャーズ作品とのクロスオーバーまで多岐に渡ります。

それらを踏まえたうえで『シークレット・インべージョン』で導入された新たな試みが、”サスペンス・スリラー“という作品ジャンル(参考:Disney+ (ディズニープラス):マーベルドラマ『シークレット・インベージョン』全話見放題配信がスタート!)と、”スーパーヒーロー不在のエピソード“なのだと私は考えます。

スーパーヒーローが存在する世界でありながら、スーパーヒーローが誰も登場しない中で物語を展開するというのは、マーベルファンにとっては物足りない状況と捉えることもできるかもしれません。

しかし、私としては、第5話まではマーベルであることを抜きにした本格的な”サスペンス・スリラー“ドラマとしても十分に楽しめましたし(人類同士の紛争を図った英国潜水艦からの攻撃を防ごうとするシーンは『レッド・オクトーバーを追え!』を思い出して手に汗握りました)、最終話(第6話)ではそこにしっかりマーベル/MCU要素をふんだんに盛り込みつつ、スーパーヒーローの力を借りることなく自らの力で問題を解決したニック・フューリーの手腕とエピソードの終結に、本当に胸が熱くなりました。

そして「あぁ、これから先もまだまだMCUは我々を新たな驚きで楽しませてくれるんだな」と確信しました。

上記は作品を中心として私が受け取った解釈ですが、実際にはコロナ禍での撮影延期に加え、全米脚本家組合(WGA)や映画俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキなど、MCU作品の制作も全てが狙い通りに進んでいるわけではないと思います。そのなかでも常にその時々のベストを尽くそうとしてくれる姿勢は賞賛に値するものであると私は考えます。

本作で描かれた内容・本作の位置づけについて

最後に、では何故そこまでして『シークレット・インべージョン』をこのようなエピソードとして描いたのかについて考えていきたいと思います。

シンプルに言うと、「本作はニック・フューリーという人物を掘り下げ、今後のマルチバースのストーリーを拡張させるうえで必要なエピソード」だったのではないでしょうか。

本作では、それまで”神出鬼没で絶対的な窮地を救ってくれる謎の司令官“的ポジションだった彼の内面や過去が丁寧に描かれます。

一つ目はプライベートのお話で、彼の愛する妻についてです。

プリシラの姿をしたスクラル人ヴァーラに対して、フューリーはこれまで本心を見せることなく、また共に過ごすこともほとんどありませんでした。その理由は、彼が、後述する目的のためにいつ死んでもおかしくない状況に置かれていたことが考えられます。

しかし、本作の最後には本心としてスクラル人ヴァーラを愛していることを伝え、理由はあったにせよ彼女と共に歩みはじめるシーンで締めくくられました。

二つ目は、フューリースクラル人との約束についてです。

キャプテン・マーベル』のストーリーが起点となった”スクラル人の新しい故郷を探す(言い出したのはキャプテン・マーベルでしたが)”という約束が本作の根底にあり、その約束が未だに守られていないことがスクラル人の反乱に繋がっています。

本作最終話で、約束を守らなかったことに怒りを露わにするグラヴィクに対してフューリーは、スクラル人の新しい故郷となる星が宇宙に存在しなかったこと、代わりに地球を故郷にしようとしたこと、それもまた困難な状況にあることを伝えたうえで、サノスの指パッチンで塵になる寸前、もう戦わずに済むという安堵感を得た、と本音を漏らしました。

このことから、『キャプテン・マーベル』から本作に至るまでの数十年のフューリーの行動、苦悩が描かれています。

実際のところ、グラヴィクに対する言葉を紡いだのはフューリーに擬態したガイアだったので、フューリーの本心はまた別のところにある可能性もゼロではないですが、ガイアはこの言葉をフューリーから聞き、フューリーの作戦に協力したように思います。

三つ目は、彼の行動の目的です。

今までのMCU作品において、フューリーは人類を守るために行動しているように描かれていました。

そして本作によって、彼が守ろうとする人類には、地球上に存在する”人間”だけでなく、地球上で暮らすスクラル人も含まれていたことが明らかにされたように思います。

それは、サノスの手で塵になってしまう瞬間のフューリーが安堵感を得たというほどに、スクラル人の故郷を探すことに対して責任感・重圧を感じていたという点からも読み取ることが出来ます。

また、スーパーヒーローにすら秘密裏に“収穫(ハーヴェスト)”を収集していたことからも、彼にとっては(スクラル人を含む)人類を守る事こそが目的であり、アベンジャーズなどのスーパーヒーローですら彼の目的を達成するための手段の一つに過ぎなかったのではないかとすら感じました。

そこまでしてフューリーが人類を守ろうとするのは何故なのか、その目的・行動の根底にある人類こそ、愛するスクラル人ヴァーラなのではないでしょうか?

ということで、MCU作品としては異例のスーパーヒーロー不在のストーリーが描かれた『シークレット・インべージョン』ですが、フューリーという人物像を掘り下げるだけでなく、スーパースクラル人となったガイアの存在、彼女と協力体制を築いたMI6、未だ地球上で暗躍するスクラル人達、スクラル人に対抗することを明らかにした米国大統領、そしてクリー人スクラル人の和平交渉など、今後の展開に繋がる要素も多分に盛り込みながら終了しました。

これはもう、今後もマーベル・スタジオの作品にも期待せざるを得ません!!

というわけで、ここまでつらつらと書き連ねた稚拙な文章を最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました。

最後は、この考察とは一切関係ない内容で締めくくりたいと思います。

マーベル・スタジオ様、今後のMCUコールソンデイジー・ジョンソンメリンダ・メイダニエル・スーザを登場させていただけると、私はとても嬉しいです!!

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