“アベンジャーズ・イヤー“と冠された2026年が幕を開け、そのマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)第1弾作品となる『ワンダーマン』がDisney+ (ディズニープラス)にて1月28日(水)より全8話一挙配信となりました!!
私も配信初日から観始め、1週間かけてようやく全話を観終えたのでこちらで感想と考察をまとめて行きたいと思います!!
未視聴の方のためにもストーリー的なネタバレは回避した内容としておりますので、ご一読いただき、もし興味を持っていただけるようでしたら、本編ご視聴いただけますと幸いです!!
感想
まずは感想パートからです。
本作を私なりに一言で紹介すると、”ヒーロー/スーパーパワーを題材にした人間(友情)ドラマ“です。
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に位置付けられる作品はドラマを含めると既に60近くに及んでいますが、これまでに公開・配信された作品達は、いずれも”人間ドラマを描いたヒーローもの“という土台の上で多様なジャンルに落とし込み、それぞれの物語を未だ新鮮味あるものとして我々を楽しませ続けてくれています。
そんななか、ここに来て更に新たな試みで、我々の心を再び新鮮な驚きと感動で動かしてくれるのが本作です。
本作で扱われる”ヒーロー/スーパーパワー“はあくまで人間ドラマを描く上でのエッセンスであり、注目すべきは、主人公サイモンやトレヴァー、そして彼らを取り巻く人々が織りなす劇中(劇)での人間模様でした。
元々、本編の配信開始前に公開されていた本予告からは、主人公サイモンが『ワンダーマン』という映画のリメイク作品において主役の座を勝ち取ろうと、元役者のトレヴァーと奮闘するというのがストーリーの主軸であることが分かります。
しかし、そこは流石のマーベル・スタジオ/マーベル・テレビジョンです。MCUフェーズ2『アイアンマン3』から登場しているトレヴァーを見事なまでに活躍させ、この物語を複雑で見応えのあるストーリーに仕上げてくれています。
このトレヴァー、これまでのMCU作品出演時でもわかる通り、一癖も二癖もある魅力的なキャラクターであり、彼が主人公サイモンと行動を共にすることになったのにも、もちろん理由があるのです。
その理由は当初こそ利己的なものだったのですが、未熟さ・危うさを兼ね備えた役者のタマゴであるサイモンの俳優としてのひたむきさに感化され、また、自身が(恐らく)唯一真摯であろうとする演劇への姿勢とも共鳴し、徐々にサイモンとの関係性に変化が生じます。
そしてこの関係性は、二転三転し、ジェットコースターのように乱高下します。
特に最終話の高低差が激し過ぎて落ち込むのですが、そこからの結末は必見です!きっと観終わったあとには、晴れやかな気持ちで彼らの再登場を期待していることでしょう!!
考察
ここからは、投稿のタイトルにもある通り”〇〇との類似性に関するマルチバース的考察“ということで、本作に対する考察をまとめて行きたいと思います!!
本作は”マーベル・スポットライト“と呼ばれるシリーズに位置付けられます。
“マーベル・スポットライト“というのは、簡単に言うと「他の作品を観て予習・復習しておかなくても、単体で楽しめる」ことを前提としたシリーズのことなのですが、「それでいて何故マルチバースと絡めるの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、私はこの作品の視聴を進める中で、1話からマルチバース・サーガの作品であることを意識せずにはいられませんでした。
その理由というのが、「マーベル作品を楽しむ私たちの住む現実(?)のアースと本作で描かれるアース、共通する部分が多くない?」と感じたためです。
本作は演劇の世界を題材にしている関係もあってか、芸能関係の話題が多く登場します。その話題に、我々現実の世界とリンクする人物・作品がやたら多いのです。
過去のマーベル作品においても、2002年版『スパイダーマン』でスーパーパワーを得たピーター・パーカーが「シャザム!」と叫んだり、『シー・ハルク:ザ・アトーニー』にミーガン・ザ・スタリオン氏が出演したり、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル』ではケヴィン・ベーコン氏がドラックス&マンティスに誘拐されたり(笑)してきました。
しかし、本作における現実世界/アースとのリンクっぷりは、その比ではないのです!!
ということで、私の気付いた&調べた範囲で、本作に登場した”現実とリンクする作品・人物”を各話ごとに以下にまとめて行きます。過不足や誤りがあった場合はご容赦ください。
(1話30分前後の全8話を観終えるのに1週間かかったのは、この情報を確認・まとめるのに時間がかかったためでした…情報量多すぎますし、改めて脚本家の方々のプロフェッショナルっぷりに感嘆することにもなりました)
■第1話『マチネ』
『アメリカン・ホラー・ストーリー』
2011年から続く20世紀フォックステレビジョン製作のドラマシリーズ。
ちなみに同制作会社は現在マーベルと同じくディズニー傘下となり、20thテレビジョンという名称に。
アシュリー・グリーン氏
本作における『アメリカン・ホラー・ストーリー』の撮影シーンで主人公サイモンと共演することになっていた俳優さん。
『トワイライト』
前述のアシュリー・グリーン氏に対してサイモンが「"トワイライト"は最高」と褒めており、これは実際に彼女がアリス・カレン役で出演した作品。
『真夜中のカーボーイ』
主人公サイモンとトレヴァーが出会う劇場で流れるジョン・シュレシンジャー監督の1969年劇場公開作品。
『YOUNG FRANKENSTEIN』
『真夜中のカーボーイ』鑑賞後の劇場内にポスターが飾られている1974年劇場公開のホラー・コメディ映画。
『アテネのタイモン』
トレヴァーが見たと語る1965年にジョン・シュレシンジャー氏が演出したウィリアム・シェイクスピア氏作の戯曲
デヴィッド・クローネンバーグ監督
本作でスーパーヒーロー映画『ワンダーマン』のリメイクを撮影する登場人物フォン・コヴァク氏から語られる映画監督。"ハエ男の恐怖"のリメイクというのは1986年公開の『ザ・フライ』
レオナルド・ディカプリオ氏
スーパーヒーロー映画『ワンダーマン』のリメイク撮影を知ったサイモンが主役を演じたいと語った際にジャネルが「(既に)レオ様にオファーが」が、と返すシーン。レオ様と言えばレオナルド・ディカプリオ氏?
ジョン・ギールグッド氏
『ワンダーマン』オーディションのあとにサイモンとトレヴァーが訪れるバーのシーンで、トレヴァーから語られるイギリスの映画・舞台俳優。
第2話『セルフ・テープ』
『ミーガン』
トレヴァーとダメージ・コントロール局~の会話に登場する2023年に1作目が公開されたSFホラー映画。
『海に帰る日』(TURTLE DIARY)
トレヴァーが住むアパートの部屋でサイモンが見つけた台本の作品。
ジョン・アーヴィン監督による1985年公開の英国映画。
『コロネーション・ストリート』
同じくトレヴァーの部屋でサイモンが見つけるビデオテープの作品。
1960年にスタートし現在も続く英国の連続テレビドラマ。世界で最も長く続く昼ドラマとしてギネス世界記録に認定されている。
(ちなみに、積み上げられたビデオテープには以下の作品も)
『The Velvet Glove』
1977年に放送されたイギリスのテレビドラマ
『FernGully 2』
1988年公開の米国のアニメーション映画
『My Cousin Vinny』(いとこのビニー)
1992年公開の米国のコメディ映画
ギャリック氏
キーン氏
アーヴィング氏
バートン氏
トレヴァーから語られる、かつて『ハムレット』で主役を演じた演劇俳優。
恐らくデビッド・ギャリック氏(1717-79)、チャールズ・キーン氏(1811-1858)、ヘンリー・アーヴィング氏(1838-1905)、リチャード・バートン氏(1925-1984)のことを指していると思われる。
マックス・ファクター氏
孫がトレヴァーの部屋の隣人だった、として語られる人物。
1909年に設立されたハリウッド発の化粧品メーカーで、創業者がマックス・ファクター氏。
ジョー・パントリアーノ氏
本人役で出演。『マトリックス(1999年)』や『ミッドナイト・ラン(1988年)』への出演についてサイモンが言及するシーンも。
※作中では言及されないが『デアデビル(2003年)』にも出演。逆に『ワンダーマン』のアースでは製作されていない可能性が高い
アート・リンクレター氏
パントリアーノ氏から語られる人物。人生ゲーム初代パッケージにも印刷された当時の人気テレビキャスター。
シュワルツェネッガー氏
パントリアーノ氏から語られる人物。アーノルド・シュワルツェネッガー氏。パントリアーノ氏が「シュワルツェネッガーがやってくるずっと前に(ベニス・ビーチの不動産を買った)」とコメントしているが、これはシュワルツェネッガー氏が1970年代にベニス・ビーチの「マッスルビーチ」でトレーニングしていた頃よりずっと前、というお話と思われる。
マコノヒー氏
米国の俳優マシュー・マコノヒー氏。作中のパントリアーノ氏の専属シェフが、かつてマコノヒー氏の専属だったという形で紹介される。
『BABY'S DAY OUT(赤ちゃんのお出かけ)』
パントリアーノ氏のトイレに飾られているポスターの作品。1994年コメディ映画。
ルイス・B・メイヤー氏
パントリアーノ氏がサイモンへの演技指導で触れた映画プロデューサー。メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)共同創設者。
ちなみに、2026年配信開始予定のニコラス・ケイジ氏主演ドラマ『スパイダー・ノワール』は米国MGM+で先行放送予定。
第3話『パコイマ』
マニング兄弟
ジャネルが契約を進めるNFLプレイヤーでペイトン・マニング氏とイーライ・マニング氏の兄弟。
The Go-Go's『Our Lips Are Sealed / 泡いっぱいの恋』
母の誕生日会のために実家に戻るにあたり、サイモンからドラマ「アメリカン・ホラー・ストーリー」降板の件を家族に内緒にしてほしい、と言われたトレヴァーが「ベリンダの歌にある通り"お口にチャック"だ」と返すのは、この曲の歌詞のこと。"ベリンダ"というのはリードボーカルのベリンダ・カーライル氏。ここからパコイマの街中のシーンに映る際、実際の曲が流れている。
ダニー・トレホ氏
米国出身の俳優。子供の頃にパコイマに住んでいた時期があり、街中のシーンで登場する彼の壁画は実際に存在する。
第4話『ドアマン』
ジョシュ・ギャッド氏
"ドアマン"ことデイヴィスが働くクラブにやってきた米国の俳優で本人役で出演。ちなみにクラブのオーナーブリジットとの会話で「オラフがダイブして大盛況」というセリフが出てくるが、これは『アナと雪の女王』のオラフの声優がジョシュ・ギャッド氏であることから、彼が盛り上げた、という話と思われる。
ちなみに、その後に流れる芸能ニュース番組で「"ル・フウ"はガストン並みに絶好調」と紹介されるシーンがあるが、これは実際に彼が実写版『美女と野獣』で演じた役。
イマジン・ドラゴンズ
ジョシュ・ギャッド氏がクラブを訪れた日にメンバーがDJをしていた、という形で登場する米国ロックバンド。ジョシュ・ギャッド氏が「"レディオアクティヴ"はここ3年の名曲」と語っており、その「Radioactive」は2012年に発表され、グラミー賞を取るなど世界的な大ヒット曲。
(ということは"ドアマン"のエピソードは2015年頃の話かもしれない)
マイケル・ストレイハン氏
劇中で流れるエクスペラックスという商品(メーカー?)のCMで、"ドアマン"・デイヴィスの代わりに新たに契約が結ばれた人物として名前だけ登場。現役引退したNFL選手。
トム・クルーズ氏
"ドアマン"・デイヴィスが撮影に参加することになったジョシュ・ギャッド氏主演の劇中映画『キャッシュ・グラブ2』の撮影前の会話で登場。デイヴィスが"スタントを自分でやること"の例えとして表現。
第5話『ファウンド・フッテージ』
シェール氏
トレヴァーが昔、ハリウッド・ボウル(ハリウッドにある野外音楽堂)で見たと語る米国の歌手・女優。
チャカ・カーン氏
同じくトレヴァーが昔、ハリウッド・ボウルで見たと語る米国のR&B歌手。
『ウィキッド』
ハリウッドの一画が映るシーンで作品の看板が映る。2003年初演のミュージカル作品。
『ワーニャ伯父さん』
トレヴァーのスマホ着信時に表示された名前。恐らくダメージ・コントロール局P.クリアリー捜査官の名前を隠すために代わりに登録されたものと思われる。ロシアの作家アントン・チェーホフ氏の戯曲タイトル。
『LAW & ORDER』
サイモンが覆面警官のふりをするシーンで、参考にしたと語る1990年開始のドラマ作品。サイモンが「シーズン14 "狙われた証人(Can I Get a Witness?)"」と言及するが、実際に第16話がそれに該当する。
第6話『コールバック』
クリストファー・ノーラン氏
バーナビー役のオーディション参加者の1名(オリー/オリヴァー)が撮影に参加したと語る映画監督。
ポール・トーマス・アンダーソン氏
バーナビー役のオーディション参加者の1名が知り合いと語る米国の映画監督・プロデューサー。直近で彼が手掛けた映画作品は『ワン・バトル・アフター・アナザー』。
『ミッドナイト・スペシャル』
コヴァク氏の部屋で流れる音楽に合わせた即興パフォーマンスでトレヴァーの口から出たアメリカの音楽バラエティ番組。初回放送は1972年。
『プリティ・ウーマン』
サイモンとマヌエルの即興劇でワンシーンが再現された1990年公開の米国映画。
ロバート・パーマー氏
トレヴァーが1986年6月28日に参加したと語るコンサート・イベントの出演者として紹介される英国の歌手。
第7話『キャシー・フリードマン』
アンソニー・クイン氏
トレヴァーから"81歳で子どもができた"として語られたメキシコ系アメリカ人俳優。『ラスト・アクション・ヒーロー』などにも出演。
ションダ・ライムズ氏
サイモンとトレヴァーをプロデュースするチームのメンバーから語られる米国の脚本家、テレビ監督/プロデューサー。『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』のプロデューサー等を務める。
ジョセフ・ゴードン=レヴィット氏
劇中のN.Y.タイムズの記者キャシー・フリードマンにこき下ろされたことがある一例としてサイモンから語られる米国俳優。『ダークナイト ライジング』や『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』などにも出演。
別途、トレヴァーからも"衣装係に高級チョコを買わない"俳優としてその名が登場する。かなりイジられている印象あり。
グレン・ハワートン氏
同じくキャシー・フリードマンにこき下ろされたことがある一例としてサイモンから語られる米国俳優。
ソーレン・グリンダスレフ・ハンセン氏
サイモンから語られるデンマーク出身の映画監督・脚本家。ここで紹介される『スラッシュ・アイス』という短編映画も2016年に実際に公開されている。
『セヴェランス』
サイモンの元恋人ヴィヴィアンが端役として出演することに決まった、として名前が登場するApple配給のSF・サイコスリラードラマ。
■第8話『ユッカ・バレー』
※名前が登場するシーンの内容に触れるとネタバレ色が強くなるので、名前のみ
アレン・ダレス氏
第5代CIA長官を務めた人物。
デュア・リパ氏
英国出身のシンガーソングライター・モデル。
ピアース・ブロスナン氏
アイルランド出身の俳優。『007』シリーズの5代目ジェームズ・ボンド役などを演じる。
ロバート・デ・ニーロ氏
米国出身の俳優。『ゴッドファーザー』など代表作多数。
アントニオ・バンデラス氏
スペイン出身の俳優。『マスク・オブ・ゾロ』主演など。
どうでしょう?『ワンダーマン』の世界、我々の住む現実の世界にめちゃめちゃ近くないでしょうか?
実は本作、”マーベル・スポットライト“という立ち位置でありながら、しっかりマルチバース・サーガの最終章にふさわしい物語になっている気がしないでしょうか!?
ここまで我々の住むアースに近いんだから、逆に、我々のアースでもサイモンが役者を目指していたり、人知れずアイアンマンやスパイダーマン達が世界の平和を守ってくれているのかもしれませんね!!
ということで感想&考察、如何だったでしょうか?
未視聴で興味を持っていただけた方は、是非、本作をご覧いただけると幸いです!!
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